【ヘル・レイザー】怖い!痛い!でも何故か笑えるホラー


1987年に公開されたこの映画は、魔道士セノバイトたちのキャラクターや作品のダークな世界観が人気となって、その後、シリーズ化されたり、ホラー映画だけではなく、いろんなジャンルの作品に多大な影響を与えた作品です。

それにしても最近、急にアクセス数が増えてきたと思ったら、「Dead by Daylight」というゲームの新チャプターとして「ヘル・レイザー」が登場するらしいです。34年の時を隔てても、いまだに魅力が失せない魔道士セノバイトたちのキャラクターデザインって、すごかったんですね。

【原題】Hellraiser【公開年】1987年【製作国】イギリス【上映時間】94分
【監督】クライヴ・バーカー【脚本】クライヴ・バーカー【撮影】ロビン・ヴィジョン【音楽】クリストファー・ヤング
【キャスト】アンドリュー・ロビンソン、クレア・ヒギンズ、アシュレイ・ローレンス、ダグ・ブラッドレイ

映画のオープニングで、中東あたりのどこかの国らしき場所にあるカフェで、ヨーロッパ人の男が現地人らしき男から、ルービックキューブほどの大きさの木の箱を買い求めます。

箱を買ったのはフランクという男。その男が、ある家の一室で箱を操作すると、まるでスイッチを押したかのようにその中に封印されていた世界が起動し始めるのです。そして、突然、室内に鎖やカギ針が張り巡らされはじめたのと同時に、異様な風貌をした4人の魔道士(セノバイト)たちがどこからか姿を現して、フランクの皮をはぎ、肉体を粉々に滅ぼしてしまいます。

フランクの残骸は床の中に吸い取られていき、男たちもこつ然と姿を消してしまいます。

フランクが消えたこの家に、数年後、フランクの弟であるラリー夫婦が引っ越してきます。彼はここで妻のジュリアと平和に暮らすつもりでした。

しかし、実は妻は以前、フランクと浮気を重ねていたのです。

二人が住み始めて引っ越しパーティの夜、ジュリアが例の部屋に行ってみると、そこに復活したフランクが姿を現します。実は引っ越しの際に、ラリーが怪我をして流れた血が床にこぼれるのですが、そこはフランクが姿を消した部屋。床が血を吸ってフランクが蘇ったのでした。

そしてジュリアはフランクと再びよりを戻して、邪悪な計画を目論むようになるのですが…。

パンクなファッションの魔道士がカッコいい

ということで、いきなり映画の冒頭からスプラッターな感じで、 血が飛び出したり肉が引き裂かれてたりして、メッチャ痛そうです。血を見るのが嫌いな人にはちょっと無理な作品かもしれません。

必見なのが魔道士セノバイトたちの風貌で、 ホラーな感じたっぷりなのですが、 見方を変えるとめっちゃパンクな感じもあってかなりヤバいです。 それだけでも何度も観たくなってきます。

「ヘル・レイザー」っていう名前でバンドを組んでほしいくらいです。 絶対かっこいいはず。

この映画が公開された1987年頃はホラー映画の全盛期ですが、その当時に映画館でホラー映画を笑いながら観る、というのが流行っていたことがあって、 この「ヘル・レイザー」という映画もそんな作品の一つだったらしいです。といっても、作品自体は決して笑うような内容じゃないんですけど。

最後のほうのCGの処理が、当時の限界なのか、テンションが続かなかったのか、やや完成度が落ちているのがちょっと残念といえば残念。

原作はクライヴ・バーカーの小説『ヘルバウンド・ハート』(1986年)で、小説家本人が本作の脚本、監督も担当しています。

この映画のテーマは 「快楽の源となる苦痛、拘束と恐怖の下での道徳性」なのだそうですが、はっきり言えばSMの世界ということなのでしょうか。でも、もちろんそっち方面の人でなくても、怖がりながら楽しめる映画です。

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