【ダンケルク】いきなり戦場空間の中に投げ込まれる恐怖
第二次世界大戦の初期、
ヨーロッパ大陸はドイツ軍の攻勢によって多くの国が侵攻され、
イギリス、ベルギー、カナダ、フランスからなる連合軍は
前線から撤退せざるを得ない状況に陥っていました。
連合軍はいったん大陸からイギリスへ脱出する作戦を行うために、
フランスのダンケルク海岸に集結して船を待っていた。
トミー二等兵は隊に合流する直前、
ドイツ軍に急襲されて一人切りになって海岸にたどり着く。
そこで偶然に出会ったギブソンとともに救助船に乗り込もうとするところに、
ドイツ軍の戦闘機が爆撃を開始する。
いっぽうイギリス側では兵士を救出するために、
多数の民間船を使った救出作戦も試みることになり、
民間人の一人であるドーソンも、
脱出作戦決行の日に合わせて、
息子のピーターと友人のジョージを乗せてダンケルクを目指す。
そして同じ日、
イギリス空軍のパイロットであるファリアとコリンズたちの飛行隊が、
ドイツ空軍を攻撃して脱出を空から支援するために、
ダンケルクに飛来する。
果たして空前の規模となったダンケルクの脱出作戦は成功し、
兵士たちは無事にイギリスに渡ることができるのでしょうか?
不気味な静けさの中に、
突然ドイツ軍のメッサーシュミット戦闘機が飛来し、
隊列をつくっている兵士たちや停泊する救助船を爆撃していく。
みんな大パニックに陥って、必死に脱出を試みます。
イギリスとドイツの戦闘機同士の空中戦シーンも、
とてもリアルで迫力があります。
セリフが非常に少なく、
誰かの思いや感情が語られることはほとんどありません。
ちょっとした行動や一つのミスが生死を分ける過酷な状況の中で、
誰が命を落とし、誰が生き残るのかは、
本当にたまたま偶然の要素に大きく左右されるというのを、
この映画を観ていると痛感させられます。
冒頭のシーンでトミーが生き延びたのも、
たまたま彼に銃弾が当たらなかったからに過ぎません。
その点では、センチメンタルな要素がない
とても冷徹で非情な映画だと思います。
この作品はアカデミー賞で
編集賞、録音賞、音響編集賞を受賞しています。
僕は自宅のあまり音響がよくない環境でこの作品を観ましたが、
それでも音の迫力はなかなかすごかったです。
これが映画館で観たら臨場感があって、
本気でビビるかも知れないレベルなんじゃないでしょうか。