【激突】あおり運転をテーマにした映画が50年前にすでに存在していた!
あおり運転をテーマにした映画が50年前にすでに存在していた!
スティーブン・スピルバーグが監督を務めたテレビ映画で
最も初期の作品の一つがこの「激突」です。
映像を見ていやに左右が短いなと思ってしまったのですが、
画像が昔のブラウン管テレビの画角になっていて、
なるほどテレビ映画なのかと納得しました。
どんなストーリーかといえばとてもシンプルで、
車で出張に出かけたサラリーマンのデイブ・マンが
取引先との約束に間に合うように荒野の道を走っていて、
たまたま大型トレーラータンクローリーを追い越します。
すると、その車からの執拗なあおり運転を受けるという映画です。
冴えないサラリーマンのデイブは
奥さんともいざこざがあって気分が優れないのに、
あおり運転でだんだん追い詰められていって、
いったいどうなるのか?
あおり運転といえば、いま大きな社会問題にもなっていますが、
それがアメリカで50年近く前にすでに映画にされていて、
乗用車がトレーラーにあおられるという、
たったそれだけの内容なのに、
これだけ面白い作品に仕上げてしまうのは、
さすがスピルバーグ監督だと感心してしまいます。
登場する車のラジオのチューニングをするのがボタン式で
そんなところからして時代を感じさせる古い映画なのですが、
内容は古臭さを感じさせません。
「いつも通り走っていて、人殺しに遭うなんてまるでジャングル」と
デイブがいう。
確かに孤独なジャングルかもしれないです。
それで追い詰められると、
疑心暗鬼になって周囲を疑ったり威嚇したりして、
自分自身がだんだん孤立する方向に言ってしまいます。
僕自身は車の運転自体ができないので、
あおられた経験はありませんが、
最近はテレビやネットであおり運転を受けている人たちが、
ドライビングレコーダーやスマホで撮影した映像が
SNSなどに投稿した動画を見かけることが多くなってきました。
映像が出回れば当然、事件としての認知も増えてきます。
たいていは被害に遭っている車に乗っている人たちが、
ビビったりパニクったりしています。
やはり何をされるかわからないと思えば、
怖くて当然でしょう。
踏切を通過する電車に突っ込むように、後ろから押されるような、
殺意ある展開が待っています。
その恐ろしさをこの映画はうまく表現していると思います。
音楽もヒッチコックみたい。
ちなみに、
原題は「Duel」でこれは決闘とか対決っていう意味みたいです。
以前、サッカー日本代表の元監督だったハリルホジッチさんが
やたら「デュエル」と言っていた1対1の対決のことですね。
ちなみに邦題は「激突」ってなってますけど、
映画の中で、車と車が激突してないじゃないかよ!
って誰もツッコミを入れなかったんだろうか?
1対1の「デュエル」という
アメリカの荒野を突っ切っていくハイウェイでは
何かあったときには自分の身は自分で守るしかなくて、
そこで、1対1の対決をするしかないという状況になるのでしょう。
被害を受けているはずの主人公が焦れば焦るほど、
誤解を招いて周囲の協力が求められず、
だんだん孤立していくというのも、
この映画でもその厳しさがひしひしと伝わってくるので、
これはとてもアメリカ的な映画なのだなと思います。
その昔、西部劇がアメリカ映画の人気ジャンルだった頃、
ガンマン同士が1対1で戦う決闘シーンが見どころだったわけですが、
「激突」はその流れをくんだ映画なのかも知れません。
ラストシーンはCGなどはない時代だと思うので、
大迫力の映像が当然のことながら実写で撮られているのですが、
これは必見です。
ということで、
クルマにまだドラレコをつけていない人は
早く付けましょう!