【ショーシャンクの空に】刑務所で元銀行員が「倍返し」するスカッと感動の結末がサイコー

主人公が元銀行員という設定だからこそ、
面白さ倍増の監獄映画です。

銀行の副頭取でやり手のビジネスマンであるアンディ(ティム・ロビンス)は、
妻とその不倫相手である有名プロゴルファーを
銃で撃ち殺したという無実の罪を着せられて、
2人分の終身刑を受けてショーシャンク刑務所に投獄されます。

刑務所で新入りが来るのを待ち構えていた古参の受刑者たちは
新参者の中で誰が最初に音を上げるかに賭けていて、
後にアンディの親友となるレッド(モーガン・フリーマン)は
線の細そうなタイプのアンディに賭けます。

ところが、
新入りの中でも一番タフだったのがアンディでした。
銀行員だけに、気長にコツコツやるタイプというんですか。

過酷な環境の中で冷酷残忍な所長や刑務官たち、
アンディをつけ狙う同性愛者たちなど、
さまざまな苦難に襲われます。
まあ、普通だったら心が折れるよねという境遇にありながら、
それを耐え忍んでいくアンディ。
果たして濡衣を着せられて投獄された彼の運命はどうなるのか?

アンディは銀行員としてのスキルを活かして、
ファイナンシャル・プランナーとして所長や刑務官たちに、
節税対策などのアドバイスをしたことをきっかけに、
所長が業務を通じて不正蓄財するのをサポートすることになり、
刑務所の中でも特別な待遇を受けるようになっていきます。

それにしても、
このアンディが何事にも気長にコツコツと取り組む性格で、
その性格が彼の運命を変えていくんですね。

そのアンディが、友だちのレッドに対して言ったひと言が、
「僕はここに来てワルになった」
無実の罪で投獄されたはずのアンディが、
「ワルになった」とはどういうことなのか。

ちなみに日本語タイトルは
「ショーシャンクの空に」だけれど、
原作となった小説のタイトルは「リタ・ヘイワースとショーシャンクのあがない」
“Rita Hayworth and Shawshank Redemption”です。

リタ・ヘイワースは昔のセクシー女優で、
アンディは映画の中で、独房の壁にリタ・ヘイワースのポスターを貼っていました。
「redemption」は「あがない」とか「償還」という意味です。
「あがない」は罪を償うことですね。
「償還」は国債などの債権が満期になってお金が戻ってくることです。

映画のタイトルになったとき、
リタ・ヘイワース自身はそれほど映画の中では重要な要素ではないので、勘違いされないように、
「ショーシャンクのあがない」(The Shawshank Redemption)になったようです。

この映画の原題はダブル・ミーニングになっていて、
2つの意味が込められているように思います。

一つはアンディがショーシャンク刑務所で罪をあがなうという意味でしょう。
でも、アンディは本当は犯罪をしていないのだから、
「あがない」だと映画のタイトルとして不正確です。

もう一つは、
それはアンディが無実の罪で監獄にぶち込まれて、
そこで支払わなければならなかった苦しみの代償を、
最後に受け取る(償還)という意味だと思います。

この「redemption」という単語を使っているのは、
アンディが銀行員だったというところに引っ掛けているのだと思いますが、
たしかに、アンディが獄中で所長たちの蓄財のアドバイスをするだけではなく、
いろんなことをコツコツやるというところが、
確かに銀行員らしさでもあるし、
それが最後の結末に至る伏線としてちゃんと結びついているという点で、
とても皮肉がきいたタイトルだと思います。
さすがスティーブン・キングです。

要はアンディは単に刑に服していたわけじゃなく、
ちゃんと後から自分に返ってくる「お仕事」をしていたわけですね。
日本のドラマで銀行員が「倍返し」するドラマがありますが、
この映画ではアンディが最終的に「何倍返し」もするわけですね。
そこは、まだ観ていない人は見てのお楽しみです。

しかし、そのことが日本語では表現しづらかったのか、
あるいは、観客動員に結びつきにくいと考えたからか、
「redemption」ではなく「空に」という漠然としたタイトルになったのでしょうか?

僕はこの映画を見る前に刑務所を描いた作品だと聞いていたので、
日本語タイトルから考えて、
主人公がヘリコプターで空から逃げる映画なのかと勘違いしていました。

ちがうじゃん・・・。

「ショーシャンクの倍返しだ!」じゃダメか。
ダメですね。

それはともかく、
この映画は主人公であるアンディの不屈の精神と、
モーガン・フリーマンとの友情を描いた
ヒューマン・ドラマという受け取り方もあるのかと思いますが、
タイトルの意味や主人公の設定などをよく考えてみると、
実は笑えるコメディ映画という側面もあるんじゃないかと思ってしまいました。

この映画を見た後、
ネットで監督や俳優、原作者などを調べてみて驚いたのが、
この作品の原作者がアメリカのホラー小説家である
スティーブン・キングだったということです。

スティーブン・キングといえば映画化された作品が多くて、
まず思い浮かぶのが「シャイニング」で、
他にも「IT」、「ミスト」などのホラー作品のほか、
少年たちのひと夏の冒険を描いた「スタンド・バイ・ミー」も彼の作品でした。
他にも「グリーンマイル」、「ミザリー」、「キャリー」など
かなりの数があったんですね。
いやあ、ビックリ!

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