【鉄男】鉄がぶつかり合う音が痛い!今もマニアに語り継がれるパンクな作品

全身が金属化していく男のストーリー

この映画はだいぶ以前にレンタルビデオで観て
その映像がぶっ飛んでいてヤバすぎるので、
思わず二度見した記憶があります。

【製作年】1989年【製作国】日本【上映時間】67分
【監督】塚本晋也【脚本】塚本晋也【撮影】藤原京、塚本晋也【音楽】石川忠
【キャスト】田口トモロヲ、塚本晋也、藤原京、叶岡伸、六平直政、石橋蓮司

あるサラリーマンの「男」が車で人身事故を起こして、
被害者をヤブの中に遺棄してしまいます。
その出来事の後、男の頬に金属片が突き出ていた時から、
男の身体が鉄くずのように金属化していくという異変が起こり始める。
実はこれは被害者である「やつ」の復讐で、
やがて「男」と「やつ」の間で、激しいバトルが始まる。
果たして二人の戦いのゆくえは…!?

塚本晋也監督の感性が炸裂

第一印象は、
「なんだかよくわからないけれど、とにかくヤバい!」

あってなきがごときストーリーは忘れていましたが、
その強烈な映像は目に焼き付いています。
ストーリーなんかいいから、
とにかく観てくれと言わんばかりの映像や造形のすごさは、
映画「エイリアン」にも迫るものがあって、
今でも通用するんじゃないかと思います。

今どきの映画はこの手の映像を製作するのに、
CGを使って作るのだろうけれど、
この映画では映像制作が本当に手作り感があって、
金属がぶつかり合う時の重さや衝撃を生身で受けるような錯覚に陥ります。

実際、撮影中に金属があちこちぶつかったり引っ掻いたりしたら、
本気で痛いだろうなと心配にもなり、
もしメイキング映像があったらぜひ観てみたいと思う作品です。

金属でできた心臓が脈打つようなサウンドや音楽も、
作品にみなぎる緊迫感をさらに盛り上げています。

田口トモロヲという俳優もこの時初めて知ったのですが、
カッコいい。

塚本監督は車に轢かれて遺棄された「やつ」役を演じていますが、
映画後半で出てくる危ないパンクロッカー風のメイクと演技っぷりは、
今ちょうど放映されている朝ドラ「半分、青い」で
ロボットを研究する大学教授を演じていたのと
同じ人物とは到底思えません。

撮影場所は1989年当時の東京近辺なんでしょうか。
バブル最高潮の時期だったと思いますが、
モノクロームで描かれるうらぶれた感じの町並みと、
パンクな映像のギャップもなかなか見ごたえがありました。

全編息をも吐かせないジェットコースター的な展開で、
あっという間に終わってしまう感じです。

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