【悪魔のいけにえ】

スラッシャー映画の代表格で、
殺人鬼が若者たちのグループや家族などに襲い掛かる作品の中でも、
トップクラスで不気味な映画がこの「悪魔のいけにえ」。

【原題】The Texas Chain Saw Massacre【製作年】1974年【製作国】アメリカ【上映時間】83分
【監督】トビー・フーパー【脚本】キム・ヘンケル、トビー・フーパー【撮影】ダニエル・パール
【音楽】ウェイン・ベル
【キャスト】マリリン・バーンズ、アレン・ダンジガー、ガンナー・ハンセン、ジョン・ドゥガン

たとえば、自分の実家の周辺で墓荒らしが横行しているので、
自分の家の墓が無事かどうか確かめに行きたいかどうかと言われると、
あんまり気は進まないのが、正直なところです。

そんな事情が発端で、この映画の登場人物である若者たちは男女5人は
目的の家の所有者である車椅子のフランクリンと一緒に
バンに乗って現地に確かめに出かけます。

目的地に向かう途中で、ヒッチハイクをする男がいたので、
好意で乗せたところその言動が異常で、
ついには彼らの目の前で自分の手のひらをナイフで切りはじめたので、
みんなドン引きして車から追い出します。

そんな、嫌な感じが満載のオープニングでなんとか実家に到着するんだけれど、
家の中は荒れ果てていて、
そこで楽しい週末を過ごすというにはほど遠い様子だったんです。

カークとパムは水浴びをしよう家の裏のほうにでかけて、
実家の近くにある白い家に行ってそのまま戻ってこなくなります。
さらにその後、ジェリーも二人を探しに行ったまま帰ってきません。

いったい何があったのか?
そして、残るフランクリンとサリーの兄妹はどうなるのか?

突然、チェーンソーをもった男が現れて、
問答無用というかちゃんと反応する間もなく、
カークを殴り殺したりパムをかぎ針に吊るしたり、
残酷なシーンのオンパレードになるわけです、怖いですね。

レザーフェイスの顔なんかも、
あんまり怖がらせようとしていなくて、
その辺にあったものを間に合わせで無造作に顔にかぶせてみたら、
思いのほか不気味で気持ち悪かったというような無造作なところが、
本当にヤバいと思います。

家の中は人間や動物の骨だらけで、
出だしから最後まで一貫して気持ちが悪いとか怖いというのが続き、
しかも無駄な展開がないというか、
ホラーなシーンをギュッと凝縮していて、
ダレるところがないというか
最初から最後までしっかりと徹底していて不気味で怖いです。

僕がいちばん怖かったというか、
「そんなことされるのは絶対にイヤだ!」と思ったのは、
サリーが捕まって「じいさま」にあることをされるシーンなんだけど、
うわ、映画の作者たちお前らよくそんなこと思いつくなという、
気色の悪さでした。

そもそもじい様はミイラにしか見えないんだけれど、
生きているっていう設定で本当に気色悪いです。
チェーンソーも怖いんだけど、僕はじい様が不気味で怖かったですね。

このじい様を演じたジョン・デュガンという俳優が、
当時まだ20歳そこそこだったというのを今知ってビックリ。
特殊メイクだから本当は何歳なのかは関係ないとは思うけれど、
このジョン・デュガンが実年齢よりも100歳年上の年寄りを演じる姿に、
もしかしたら撮影現場は大爆笑だったりしたのかもしれません。

「これは真実の物語」とテロップが流れるので、
実話をもとに作られているみたいなコメントがされることが多いみたいですが、
どうやら実話ではないようです。
ということは、それだけ気持ち悪いシーンをゼロから考案して表現できてしまう、
その想像力に驚かされてしまいます。

何でこのような映画が人気が出て大ヒットし、
40年以上経っても語り継がれているあたりに、
人間ってほんとに怖いもの見たさというか、
不気味なものが好きなんだなと思います。

アメリカの地方のハイウェイ沿いで隣の家まで距離が遠いので、
助けを呼ぼうにもその声が届かないというのも、
怖さをさらに増幅させています。

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