【ブレア・ウィッチ・プロジェクト】それまでのホラー映画とはまったく違う手法が怖すぎる

学生が製作したドキュメンタリー映画という設定

1999年に製作された「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」。

ハリウッド映画が何十億、何百億という予算をかけ、CGを駆使して大作映画をガンガン作り続けるかたわらで、6万ドルという低予算で製作したにもかかわらず、世界的な大ヒットとなったホラー映画です。

【原題】The Blair Witch Project【製作年】1999年【製作国】アメリカ【上映時間】81分
【監督】ダニエル・マイリック、エドゥアルド・サンチェス【脚本】ダニエル・マイリック、エドゥアルド・サンチェス【撮影】ニール・フレデリックス【音楽】トニー・コーラ
【キャスト】ヘザー・ドナヒュー、ジョシュア・レナード、マイケル・C・ウィリアムズ

ストーリーは、大学の映画学科の女子学生であるヘザーが、「ブレア・ウィッチ」という伝説の魔女を題材に、ドキュメンタリー映画を製作しようと、ジョシュ、マイクの2人の仲間と一緒に、伝説の舞台となった町にやってくるところから始まります。

ブレア・ウィッチの棲家とされる森の中での撮影をするために、スーパーに買い出しにでかけて準備をする様子はまるでピクニックにでも行くような感じで、その後の恐ろしい運命を知る由もありません。

3人の学生たちは撮影開始時には和やかな雰囲気で撮影をスタート。初日は町の人々に伝説についてインタビューして、そして翌日、3人はいよいよ森へと足を踏み入れます。

森の中に入っていくんですが、少しずつ不気味な現象が彼らの周りで起こり始めて、だんだん、ここにいてはヤバいという雰囲気になっていきます。

ところが、なかなか森から脱出できないいら立ちと不安から、お互いに険悪な雰囲気になってしまいます。その変化によって、
見ている方もどんどん不安な気持ちになっちゃうんですよね。

やがて、予想もしなかった恐怖に襲われるんです。ちょっとしたスリルを味わったり、冒険心を満足させたりしたい。でも、気づいてみたら後戻りができないところまで深入りしていて、自分が取り返しのつかないことをしてしまったことに、改めて気づくわけです。

ヘザーたちは「できるだけ事実をありのままに見せたい」という意気込みで、ブレア・ウィッチの伝説を映画化しようとしていたのが、知らない間に自分たちがドキュメンタリーの主人公になってしまっていました。

ホラー映画は超低予算でも大ヒットを生み出しやすい!?

超低予算の映画なのにどうしてヒットしちゃったのか? その秘密が「モキュメンタリー」という手法です。

映画の内容自体はフィクションなんですけれど、あたかも事実を取り扱うドキュメンタリー映画のような撮影や編集の手法を取り入れて、いかにも本物のドキュメンタリーのように見せるのが「モキュメンタリー」だそうです。

この映画では、学生たちが森で行方不明になってから1年後に、彼らが撮影したビデオやフィルムが発見されて、それをもとに映画に編集し直したのがこの作品だという「設定」になっています。

「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」では、手持ちのカメラで映像を撮影しているんですが、手ブレがしていたりアングルが素人くさかったりして、だからこそ、映像にリアリティが出ていて、なおさら怖い作品になってます。低予算で撮れるのと恐怖の演出を、両立させるということに成功していて、思いつきそうで思いつかなかったアイデアだったのではないかと思います。

怖さの原因になっているのが何かの気配や雰囲気であって、怪物や悪霊が姿を現すわけではないのに、音やカメラの動きだけで何者かの存在を匂わす手法は、とても斬新でなおかつ怖かったので、とても衝撃的でした。

ちなみにこの映画は予算が6万ドルでしたが、同じくモキュメンタリーの手法を使って作られて大ヒットした「パラノーマル・アクティビティ」は1万5000ドルで、さらに制作費が下がっています。「カメラを止めるな」は300万円だったそうです。低予算で映画を作るならホラー映画ということでしょうか?

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