【レオン(完全版)】家族を奪われた少女と殺し屋との絆に号泣
レオン役のジャン・レノと
マチルダ役のナタリー・ポートマンのコンビが誕生してから、
きっと同じような設定の映画やドラマって山ほどあったんじゃないかと想像しますが、
実は今回初めてレオンを観て、
やっぱり、これを超えるのって難しいんじゃないかと思いました。
それくらい、ストーリーが進むにつれて強くなる絆に、
心を打たれてしまいました。
映画や小説なんかは典型的なモデルを創ったヤツが価値なんだなと
つくづく思いました。
【原題】仏題:Leon、米題:The Professional【製作年】1994年【製作国】フランス、アメリカ【上映時間】133分
【監督】リュック・ベッソン【脚本】リュック・ベッソン【撮影】ティエリー・アルポガスト【音楽】エリック・セラ
【キャスト】ジャン・レノ、ナタリー・ポートマン、ゲイリー・オールドマン
ヒロインのマチルダは、
まだ小学生くらいなんだけれど、
いきなりタバコを吸っているシーンで登場し、
子供なのに背伸びをしたい年ごろで、
しかも、ちょっと虐待されたりする家庭環境にあるわけです。
一方の主人公であるレオンは
狙った相手は絶対に逃さないタイプの殺し屋で、
物語の冒頭で、きっちりと仕事をこなすシーンから始まります。
レオンが住むアパートの同じフロアには、
マチルダという少女が住んでいて、
通路でタバコを吸っていたところを知り合いになる。
どうやら虐待されているらしく、人生に絶望しかけています。
その翌日、マチルダの父親が麻薬取引で誤魔化しをしたおかげで
家族が皆殺しにされてしまいます。
偶然、一人だけ難を逃れた彼女をレオンは助けることに。
最初は関わり合いたくなかったレオンでしたが、
他に行き場のないマチルダの必死の訴えに負けて、
渋々部屋に居候させることになります。
そして、マチルダは家族の中でも仲が良かった弟を事されて、
その復讐がしたいとレオンに懇願するのです。
さてどうなるか、というストーリーですね。
マチルダが最初に登場するシーンが、
タバコを吸いながら階段の手すりの間から足をブラブラさせるしぐさで、
この子供がどういう子供なんだか一瞬で理解させるという演出が
とても凄いです。
レオンは殺し屋なんだけれど観葉植物だけがお友だちという寡黙なタイプで、
毎日牛乳ばっかり飲み続ける生活を送っています。
そこにマチルダが転がり込んで単調な生活に変化が生まれます。
レオンはマチルダに読み書きを教わる一方、
マチルダは殺し屋としての基本の手ほどきを受けはじめる。
持ちつ持たれつの関係が徐々に出来上がっていく。
マチルダはまだ子供の幼さはまだ残っているんだけれど、
こうと決めたことには無謀かつ命がけ。
それがレオンの心を動かすのですね。
まだまだ子供なんだけれど、
利発で必死に大人として振舞おうとするマチルダと、
仕事以外には人付き合いがまったくもって下手くそなレオンとが
最後には太いきずなで結ばれるようになる、
孤独な人間だったレオンにも守るべき人ができるわけです。
そんな矢先、マチルダは家族を殺した犯人の正体を知り、
単身、犯人の拠点に乗り込んでいきます。
マチルダの無謀な行動を取ってしまう危うさが、
その後の結末につながっていくのです。
クライマックスのシーンでは涙腺が崩壊すること必至です。
このレオンという作品は
大人になる前の少女の可愛さがすべて凝縮された映画という気がします。
ナタリー・ポートマンのプロモーション用映画かいって感じですが、
それくらいデビュー当時からとってもキュート、ハリウッド女優だから当然か。
素晴らしい演技をしているのは僕が書くまでもないことです。
印象に残っているシーンは、
親に殴られて鼻血を出していたマチルダがレオンに牛乳を買ってくることを頼まれて、
その瞬間にパッと顔が輝く場面。
それまで誰とも信頼関係を築けずに生きてきた子供が、
初めて他人の役に立てた喜びに包まれった瞬間を
ナタリー・ポートマンが見事に演じていて、
思い出しても泣けてきますね。
それから、レオンは殺し屋として腕が立つ、
大人の渋さが満載の役をやっているのですが、
マチルダとのやり取りの中で、とっても可愛げがある演技をしていて、
その演技力の振れ幅みたいなところも見応えがありました。
ところで、レオンは日頃から腹筋で体を鍛えているんですが、
なんで腹筋ばっかりしているんだろう、
腕立て伏せとかスクワットとかやらないのかと思ったら、
アクションシーンでは、これは確かに腹筋必要だわという場面があって、
つい笑ってしまいます。
殺し屋に転職する時に備えて、腹筋を鍛えておこうと思いました。
今回レオンは初めて観たのですが、
オープニング・タイトルにナタリー・ポートマンと書かれていたので、
どこで登場するんだろうとずーっと待っていたのに、
全然出てこないので、おかしいな、変だなと思っているうちに
終わってしまいました。
チョイ役で出ているから気づかなかっただけのかと思ったんだけど、
そんなわけないよなと思いつつ、
映画の途中で、ヒロインのマチルダを演じている子役が
ナタリー・ポートマンなんだとやっと気づきました。
子供だったから、最初はガチで気づきませんでした。
映画デビュー作だから子供で当然だったんですね。
麻薬捜査官で裏の顔は麻薬の元締めをしている
スタン役、ゲイリー・オールドマン、ヤバすぎですね。