【マルホランド・ドライブ】悪夢をそのまま再現してみたらこうなった!?

何だか意味がわからないけれど引き込まれる!

初めてみたときは
「何だよこの映画、意味わかんねー」と思いました。
でも、意味がわからないけれど、
それでも何故かつい引き込まれて何度も観てしまう映画。
マルホランド・ドライブはそんな映画です。

【原題】Mulholland Drive【製作年】2001年【製作国】アメリカ【上映時間】145分
【監督】デヴィッド・リンチ【脚本】デヴィッド・リンチ【撮影】アンジェロ・バダラメンティ【音楽】ピーター・デミング
【キャスト】ナオミ・ワッツ、ローラ・ハリング、ジャスティン・セロー、アン・ミラー

ハリウッドの街を見下ろす高台にある
マルホランド・ドライブという通りで、
夜中に交通事故が起きて、
生き残ったロングヘアの女が、
助けを求めるでもなくハリウッドの街まで歩いていき、
とある家に潜り込みます。
そこは有名女優のルースの自宅だったのですが、
翌日、女優の姪で映画のオーディションを受けに
この家に泊まりにきたベティに見つかってしまいます。
女は記憶を失ってしまったといい、
ベティは女をかくまった上で、
記憶を取り戻すのに協力しようとするのですが…。

悪夢を綿密に計算して再現した作品!?

と、これが映画の冒頭部分ですが、
仮に、ここから先のストーリーを文章で説明しようとしても、
読む人はきっと「何言ってるかわかんね」と思うでしょう。
それだけ、デヴィッド・リンチの作品は
1回観ただけで意味がわかりにくいのが最大の特徴だと思います。
とにかく、まずは見てみるしかない!

マルホランド・ドライブも映画のシーンを一つずつ言葉にはできるけれど、
全体を通じて一つのストーリーとして
スッキリと理解できるようなシンプルな作りにはなっていません。

前後のつじつまが合わない場面がガンガン出てくるわ、
誰やこの人という意味不明の登場人物やシーンが出てきたりして、
普通の意味でストーリーがつながりません。

僕が全編を通じて抱いたのは、
まるで悪夢を見てうなされているような感覚でした。
ていうか、デヴィッド・リンチ、
悪夢をわざわざ再現したらどうなるんだろうと考えて、
この映画を作ったんじゃないかと思うくらいです。

この原稿を書くためにいろんなサイトを調べていて、
デヴィッド・リンチが作品のオフィシャルサイトで、
ストーリーの謎解きをするための10のヒントを公開しているのを知りました。
ということは、リンチ監督はこの作品を
単に分けのわからないアバンギャルドな映画としてではなく、
全体を通じて理解可能な作品として製作していたわけですね。

そして、この作品に魅了された人たちが、
ブログなどで作品の謎解きにチャレンジしていて、
どうやらこういうストーリーなのではないかという
解釈も出てきています。

僕はまだ、そのヒントを通じて
作品全体を検証する作業には至っていません。
まだまだ未熟者でした。

その検証ができるまで繰り返し観ても
きっと飽きない映画なんだろうと思い、
これから楽しみがまた一つ増えました。

ただ、この映画がまさに悪夢を描いているんだという印象は、
検証作業を行ったとしてもたぶん変わらないだろうと思います。

単なる「こわい夢」という意味での悪夢というだけではなく、
「人生そのものが悪夢」なのだということを描き切っているという点で、
まさに傑作だと思います。

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