マザー/アンドロイド|妊娠中のクロエ・グレース・モレッツはアンドロイドから逃げ切れるか!?

見た目が人間同然のアンドロイドが、日常生活に入り込んでいる近未来のストーリー。

妊娠した女子大生とそのボーイフレンドが、突然、一斉蜂起して人間に歯向かい始めたアンドロイドから逃れて、必死で生き延びようとする作品です。

妊婦でありながら、アンドロイドから逃げ回る若い女性ジョージアを、クロエ・グレース・モレッツが熱演しています。

【原題】Mother/Android【公開年】2021年【製作国】アメリカ【上映時間】111分
【監督】マットソン・トムリン【脚本】マットソン・トムリン【撮影】パトリック・スコーラ【音楽】ケビン・ヘンソーン【キャスト】クロエ・グレース・モレッツ、アルジー・スミス、ラウル・カスティーヨ

クリスマスの日、ジョージアはボーイフレンドであるサムとの間に、子供ができたことを知ります。

二人は学生たちが集まるクリスマスパーティに出かけますが、そこで突然、使用人として使われていたアンドロイドたちが一斉に反乱を起こし、街中が大混乱に陥ります。

数カ月後、ジョージアとサムはアンドロイドから逃れて、森の中でキャンプをしながら、
ボストンを目指して逃避行を続けていました。そして、軍が管轄するキャンプ地に偶然通りかかり、そこに収容されます。果たして二人は安全にボストンまでたどり着けるのでしょうか?

アンドロイドたちが反乱を起こす近未来が舞台

ジョージアの自宅には使用人がいるということで、相当なお金持ちの家庭なのかと思ってしまいました。実は使用人たちはアンドロイドであり、一般家庭にまで普及するほど、その数が増えた近未来が舞台ということです。

アンドロイドの頭を殴ると金属音がしたり、血液の代わりに暗褐色の液体が流れ出たりして、これは人間じゃないんだとわかるのです。

ジョージアたちがパーティ会場にいる間に、外で大音響がしてスマホが使用不能になるんですが、それは人間側がEPM(電磁パルス攻撃)を仕掛けて、アンドロイドたちの機能を破壊しようとした結果なのでした。ところが、アンドロイドたちの反乱を押し止めることはできなかったのです。

いちいち説明はないんですが、アンドロイドたちが反乱を起こし、人間を攻撃し始めて、まるで「ターミネーター」みたいな状況になりつつあるわけです。

ジョージアの妊娠が発覚したのが、そんな状況になる直前のことで、実にバッドタイミングなのでした。そもそも彼女が妊娠したのは若気の至りであって、父親になるサムと結婚したいかどうかも、自分ではまだわからない。だけども、アンドロイドの反乱によって、否応なくサムと一緒に生きていかざるを得なくなる。

大学生なんだけれど、まだ分別が足りず、母親になる覚悟もない。そんな若い女性が、アンドロイドが反乱を起こして人間社会が崩壊の危機に直面する中で、妊娠という女性にとっては大きな負担を抱えながら、過酷な逃避行を続けることになるのです。

と、映画の設定としてはけっこう面白いのですが…。

ネタバレあり。緊迫の逃避行はツッコミどころ満載

逃避行中の二人の行動が、あまりにも不用意で、そんなので大丈夫かと見ている方が余計な心配をしてしまう場面がいろいろあります。たとえば、夜中の森の中でキャンプをするんですが、テント内で灯りをつけたりするので、暗闇の中にオレンジに光る謎の物体があったら、即見つかっちゃいそうなものですが、どうなんでしょうか?

極限状態の中で、正しい判断をするのが難しい。しかも、非常事態の中にあってそれまでの常識は通用しないし、自分の身は自分で守らなければならない。生きるためにはその場で考えて判断していく必要があるわけですね。ところが、サムの行動もなかなか間が抜けていて、たとえばせっかく軍の基地に受け入れられたのに、ケンカで相手に重傷を負わせたことが理由で、そこを追い出されてしまうのです。

その後、二人は空き家を見つけてそこで束の間の休息をとることができるのです。ところが、オートバイを見つけたサムが、それに乗ってボストンまで行こうとジョージアを説得します。子供が生まれて落ち着くまで、とりあえずはじっとしてようよと、映画を観ている側としてはそう思うんだけれど、その結果、移動中にアンドロイドたちに見つかってしまうわけです。

オートバイで2ケツしながら、森の中をアンドロイドやドローンに追跡されて、逃げ回るシーンはスピード感満載でけっこうスリリングです。クロエ・グレース・モレッツが、大きなお腹を抱えながら必死でアンドロイドたちを銃で撃って倒していくんですが、とてもハラハラします。

それにしても、一方のアンドロイドたちも、なぜかジョージアとサムを倒したり確保することができないんです。アンドロイドは人間との戦いで、ニューヨークを壊滅させてボストンも手中に収めようとしているほど強いのに、なんでやねん? 敵を発見するために、レーダーみたいなものが目に組み込まれているとか、腕が銃に変わったりとか、そういうのはないのか?

ということで、設定としては面白いのに、それを活かしきれていないのがこの「マザー/アンドロイド」という映画で、ちょっと残念なのでした。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です