タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら|スプラッターなホラーなのに、なぜか大爆笑のとてつもない作品

タイトルがいかにも煽っている風なので、あんまり期待せずに観たんですが、予想に反して大爆笑の連続。ものすごい映画です。

ワゴン車でキャンプに出かける男6人女3人の大学生グループという、いかにもありがちなシチュエーションで始まるのがこの作品。

人がバタバタ死んでいくのに、爆笑してしまうという、ホラー・コメディ映画の傑作だと思います。

【原題】Tucker and Dale vs Evil【公開年】2010年【製作国】カナダ、アメリカ【上映時間】94分
【監督】イーライ・クレイグ【脚本】イーライ・クレイグ、モーガン・ユルゲンソン【撮影】デヴィッド・ゲッデス
【音楽】マイク・シールズ【出演】タイラー・ラビン、アラン・テュディック、カトリーナ・ボウデン、ジェシー・モス

見た目からくる勘違いがとてつもない悲劇に

真っ暗な建物の中に報道関係者らしき女性とカメラマンが潜入し、そこで顔面血まみれの男に倒されるシーンでこの映画は始まります。

場面は突然変わり、チャドやアリソンたち9人の大学生たちがワゴン車でキャンプに出かける途中、一台の小型トラックと接触しそうになる。トラックに乗っていたのは目付きの悪い二人の男たち。途中のドラッグストアでも、2組は鉢合わせになり、大学生たちは、二人の男に不信感を抱く。

実は男たち、タッカーとデイルは幼馴染で長年の夢だった別荘を手に入れて休日を過ごしにいく途中なんだけど、見た目がいかついおかげで、学生たちに怪しまれてしまったことが、その後の悲劇につながっていくのでした。

学生たちと男2人が到着した場所は、偶然にも同じ森の中で、しかも20年前にある事件があったといういわくつきの場所でした。

夜中に2人が池で釣りをしていると、そこに大学生たちが泳ぎにやってきます。そこに遅れてきたアリソンが、岩場から足を滑らせて水に落ちて気を失ってしまい、2人が助けるのですが、学生たちは殺人鬼に拉致されたと勘違いしてしまう。

学生たちはアリソンを助けに出かけるが、そこから物語は飛んでもない展開になっていくのです。

スプラッターなんだけど大笑い

というわけで、最初は完全な思い込みと勘違いから始まった出来事が、恐ろしい事件に発展していくのが、この映画の見どころです。

ふつうのホラー映画だと、タッカーとデイルは完全に殺人鬼の側ですよ。でも、見た目に反して気の良い二人だったというのが、この映画の面白いところ。逆に学生たちは、知らず知らずのうちに、自分たちがタッカーとデイルを襲う側に回ってしまうのです。

しかも、タッカーとデイルは何もしていないのに、学生たちが勝手にバタバタと死んでいくので、二人はなぜ彼らが死んでいくのか訳がわかりません。しかも、周囲の状況的に自分たちがやったようにしか見えないので、途方に暮れてしまうのです。そして、どんどんどツボにハマっていく。

こういうコメディだと、わざと笑わせようとするシーンやアクションがあったりして、白けることがありますが、この作品にはそのあざとさがなく、それでもメッチャ笑えるのが凄いです。

途中で学生たちと2人の男がお互いに理解し合いそうになるんだけれど、それが再び学生たちの暴走で、全てがぶち壊しになってしまうのです。

ホント、笑うしかない。

それにしても、スプラッターな場面が何度も出てきて、それもけっこうエグいんだけど、それでも笑ってしまうのって、何でだろう? 不思議です。

タッカーとデイルの友情も見逃せないポイント

何人もが命を落とすような事件は、単に勘違いだけで起きたわけじゃなく、実は大学生の一人であるチャドの過去が、この映画のストーリーを動かす原動力になっているんですね。そういう仕掛けもあって、この作品を単なるバカっぽいコメディに陥ることを防いでいるのだと思います。

タッカーとデイルの仲の良さも、ポイントの一つです。コンプレックスの塊で自分はモテないと思い込んでいるデイルを、タッカーが上手く励まして、それが感動のラストにつながっていくんですよ。

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